個人事業主が把握すべき税の年間スケジュール
個人事業主には、年間を通じて複数の税務上の締め切りが存在する。所得税・消費税・住民税・事業税・予定納税——それぞれ期限が異なり、見落とすと延滞税や加算税が生じる場合がある。
本記事では、主な税目の期限を月別に整理する。なお、期限が土日・祝日にあたる場合は翌営業日に繰り越されることがある。正確な期限・最新情報は必ず国税庁または各自治体の公式情報で確認してほしい。
年間税務カレンダー一覧
| 時期(目安) | 税目・手続き | 主な対象者 |
|---|---|---|
| 1月 | 給与支払報告書の提出(前年分)/源泉徴収票の交付 | 従業員を雇用する個人事業主 |
| 1月〜3月 | 所得税の確定申告準備・帳簿締め | 全個人事業主 |
| 2月16日〜3月15日(原則) | 所得税の確定申告・納付 | 前年に事業所得等のある個人事業主 |
| 3月15日(原則) | 青色申告承認申請書・青色事業専従者給与届出書の提出期限(その年分。新規開業の場合は別途期限あり) | 青色申告を行う事業主 |
| 3月31日(原則) | 消費税(個人課税事業者)の確定申告・納付 | 消費税の課税事業者(個人) |
| 6月以降(自治体通知後) | 個人住民税の納付開始(普通徴収:原則年4回) | 前年に所得のある個人事業主 |
| 7月(原則) | 所得税の予定納税(第1期分) | 前年の予定納税基準額が15万円以上の事業主 |
| 8月(原則) | 個人事業税の納付(第1期) | 課税対象となる業種に該当し事業税が発生する個人事業主 |
| 11月(原則) | 所得税の予定納税(第2期分)/個人事業税の納付(第2期) | それぞれの対象者 |
| 12月 | 年間の帳簿・領収書整理、翌年確定申告の準備開始 | 全個人事業主 |
上記はあくまで原則的な目安であり、年により期限が前後する。最新の期限は国税庁(nta.go.jp)および各自治体で必ず確認してほしい。
各税目の概要と注意点
所得税の確定申告(原則2月16日〜3月15日)
前年1月1日〜12月31日の事業所得等を集計し、翌年2月16日から3月15日の間に申告・納付するのが原則だ(期限が土日・祝日の場合は翌営業日に繰り越されることがある)。具体的な進め方は確定申告のやり方・必要書類の記事でまとめている。
青色申告と白色申告では控除額や帳簿の要件が異なる。事前に青色申告と白色申告の違いを確認しておくと判断しやすい。
消費税の確定申告(原則3月31日)
消費税の課税事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円超、または特定期間の要件に該当する場合等)である個人事業主は、所得税の確定申告とは別に消費税の申告・納付が必要で、期限は原則3月31日とされる。はじめての場合は消費税申告のはじめ方も参照してほしい。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への登録状況によっても手続きが変わる場合がある。要件・期限の詳細・最新は国税庁で確認してほしい。
個人住民税(6月以降・普通徴収)
確定申告で申告した所得をもとに、各自治体が税額を計算して通知する。個人事業主は給与から天引きされる「特別徴収」ではなく、自分で納付書を使って払う「普通徴収」が原則とされ、通常は年4回(6月以降の各納期。具体的な月は自治体により異なる)に分けて納付する。金額・納期は自治体により異なるため、届いた通知書の内容をよく確認してほしい。
個人事業税(原則8月・11月)
都道府県に納める税で、地方税法に定める業種(いわゆる法定業種)に該当する場合に課される。事業主控除として一定額(原則290万円。月数按分される場合がある)を差し引いた所得に対し、業種ごとの税率が適用されるとされる(対象業種・税率・控除額は都道府県税事務所で確認してほしい)。確定申告書に必要事項を記載すれば、別途事業税の申告書を提出しなくても都道府県から納税通知書が届くのが一般的で、原則として第1期(8月)・第2期(11月)の2回に分けて納付する。
所得税の予定納税(原則7月・11月)
前年分の所得税額などをもとに計算される「予定納税基準額」が15万円以上の場合、その3分の1ずつを第1期(7月)・第2期(11月)に前払いする制度とされる。所得の減少が見込まれる場合などは減額申請ができ、第1期・第2期の両方の減額を求める申請は原則7月15日まで、第2期分のみの減額申請は原則11月15日までとされる。申請期限・要件の詳細・最新は国税庁で確認してほしい。
源泉徴収(随時・原則翌月10日納付)
個人事業主でも、従業員に給与を支払う場合や、原稿料・講演料・デザイン報酬・弁護士や税理士等の報酬といった特定の報酬を支払う場合は、原則として源泉徴収義務者になりうる。源泉徴収した所得税は原則として支払月の翌月10日までに納付する(源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合は年2回)。ただし「給与等の支払がなく、常時2人以下の家事使用人にのみ支払う個人」等、源泉徴収を要しないケースもあるとされる。税率は報酬の種類・金額により異なる(例として原稿料・講演料等は支払金額100万円以下の部分が10.21%、100万円超の部分が20.42%等とされる)。詳細・最新は国税庁で確認してほしい。
帳簿づけは日々の習慣が期限対応を楽にする
税の期限を守るうえで負担を軽くしやすいのは、日々の記帳を止めないことだ。年末に1年分をまとめて入力しようとすると、領収書の紛失や記憶の曖昧さで誤りが生じやすい。帳簿のつけ方の基本を押さえ、日常的に記録する習慣を作っておくと、申告期の負担を抑えやすい。
開業直後で帳簿の体制がまだ整っていない場合は、開業届の出し方とあわせて青色申告の承認申請も早めに検討したい。
会計ソフトを使うと仕訳の自動化や確定申告書類の出力に対応でき、期限管理の漏れも防ぎやすくなる。freee会計やマネーフォワード クラウド確定申告などのクラウド型会計ソフトは、個人事業主向けの機能を備えている(料金・機能の詳細・対応範囲は各公式サイトで確認してほしい)。
まとめ:年間の税務期限を一度整理しておく
- 所得税の確定申告:原則翌年2月16日〜3月15日
- 消費税の確定申告(個人課税事業者):原則翌年3月31日
- 個人住民税(普通徴収):自治体通知後、原則年4回
- 個人事業税:原則8月・11月の2回
- 所得税の予定納税:原則7月・11月(基準額15万円以上の場合)
- 源泉所得税の納付:原則翌月10日まで(納期の特例あり)
期限は年により土日・祝日の影響で前後する。本記事の情報は執筆時点で確認した内容をもとにしているが、税制は改正される場合があるため、必ず国税庁(nta.go.jp)や各自治体の最新情報を確認してほしい。判断に迷う点は税理士等の専門家への相談も検討したい。
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